瀬戸内海の中央部に位置し、広島県と愛媛県の県境に浮かぶ大崎下島(おおさきしもじま)。国産レモン発祥の地としても知られるこの島の東端に、江戸時代の町並みや昭和レトロな建物を残す御手洗(みたらい)という港町があります。
かつては潮待ちの港として栄え、西国大名や北前船も寄港していた御手洗地区は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、町全体が文化財になっている美しい地域ですが、現在は島の過疎化が進展し空き家が多くなっています。そうした中、御手洗の奥先にある大正末期に建てられた「旧藤林医院」をMAF(マーフ)御手洗藝術農園がリノベーションし展覧会やイベントを運営しています。今回は私も参加した2019.8/23(fri.)-8/25(sun.) におこなわれた展示、「絵と家」について少しだけ書いてみます。

御手洗の奥先にある大正末期に建てられた「旧藤林医院」をリノベーションした展覧会場入り口。江戸時代の町並みや昭和レトロな建物を残す御手洗の雰囲気が味わえます。

入ってすぐの場所に置いてある安芸高田市産の野菜。野菜のフォルムも面白いですが、色がとても綺麗でした。野菜の絵は描いたことがないので、何か一緒に作品が作れたら面白いなと思いました。

こちらは東京都台東区にある古道具店doremifa(ドレミファ)さんの商品。ドイツの古道具、雑貨を中心にヨーロッパ各地の古いものや国内の作家作品を取り扱っています。今回の展示の中で一番興味深いものでしたが、展示期間中はバタバタしていてあまり店主さんと交流できずに残念。古道具の説明も聞きたかった。

古道具店doremifa(ドレミファ)さんの商品。大正末期の建物に溶け込むように佇んでいるアンテーク食器。
古道具店doremifa(ドレミファ) URL : https://www.do-re-mi-fa.net/

私は入ってすぐの壁面に展示をさせていただきました。メインの壁面を使わせてももらってとてもありがたい。今回は初めてモノクロームの作品とカラーの切り絵を同時に展示したのですが、同じ空間には一つのテイストの作品を展示した方がいいなと思いました。搬入の日に、インド人留学生に話しかけられ「どうして白黒で描いたんだ?」とか「なんでebookのような電子書籍で出さないんだ?」「どうやってアイデアを思いついたんだ?」と作品について色々と話したことでまた新たな発見がありました。そもそも語学が苦手な私にとっては、インド人の英語の発音は聞き取りにくかった。
古い建物をリノベーションしたということで、リノベーションの作業や運営の準備も大変だったと思いますが、とても素晴らしい環境で展示をさせてもらえたのはとてもありがたかったです。MAF/御手洗藝術農園のスタッフのみなさんありがとうございます。

MAF/御手洗藝術農園のオリジナルグッズの販売もしています。街並みを描いたハンカチや、現代風にアレンジされたピンク色の熊の置物など。

Gペンで描かれたシンプルで素朴な佇まいの、山口歩さんのイラストレーションが壁に並ぶ。

ミモザをモチーフとしたOtemoto.sさんのストーリーブックとイラストレーションの展示。
そのほかにもmacchaannさん、マツモトユキエさん、mumimumさん のワークショップも賑わっていました。私の娘は macchaannさんの塗り絵を集中して楽しんでいました。子供が参加できるワークショップがあると、家族づれでも参加しやすいですね。
重要伝統的建造物群保存地区を散策

最終日の展示終了後に、地元の方に御手洗の街を案内してもらいました。御手洗は町全体が文化財になっている美しい地域ですが、現在は島の過疎化が進展し空き家が多くなっています。その空き家を活用してもらうために、若いアーティストに場所を貸し出しているそうです。

木造建築で畳の部屋。壁面は使用できないため、立体物の展示が向いているそうです。

外観も昔ながらの外観を残しています。薄緑色のペンキがどこか懐かしさを感じさせます。

GUESTHOUSE醫(KUSUSHI)
ひと際目をひく「レントゲン科越智醫院」の看板にある医の旧漢字である「醫(くすし)」を宿の名にした。
小さな作品などを飾る個展向きの展示スペースもあるのですが、比較的大きな建物が多いので、グループでの展示や大型の作品の展示が向いていると思います。掃除も必要なので一人だと大変だと思います。グループ展がおすすめ。興味のある方は一度足を運んでみてください。
MAF/御手洗藝術農園
MAF/御手洗藝術農園 〒734-0302 広島県呉市豊町御手洗363
M A F(御手洗藝術農園)への行き方
(1) お車をご利用の場合 広島市内 → 広島呉道路(クレアライン) 呉IC → 安芸灘大橋有料道路(片道720円)→ 御手洗 / 約1時間30分 *駐車場は無料の「御手洗かもの駐車場」か「御手洗駐車場」にお停めください。
(2)バスをご利用の場合 【広島・呉方面から】とびしまライナー(さんようバス)利用 広島市内(蒲刈・豊浜・沖友天満宮行き / バス)→ 呉市内経由 → 御手洗(住吉神社前 下車)/2時間20分 *広島バスセンターのりば / 6番のりば *広島駅のりば / 南口 Cホーム15番のりば *JR呉駅前、広駅前からも出ています
・時刻表
(3) フェリーをご利用の場合 【竹原港から】 竹原港(北崎旅客ターミナル)から高速艇フェリーで御手洗港まで 約45分
・時刻表
(4)空港をご利用の場合 広島空港(竹原港行きリムジンバスで30分)→ 竹原港(北崎旅客ターミナル )→ 御手洗港 / 約1時間30分
Website:MAF/御手洗藝術農園
MAF/御手洗藝術農園
GUESTHOUSE醫(KUSUSHI)
GUESTHOUSE醫について
レトロな「越智醫院(おちいいん)」の看板が目を引く大正時代に建造された洋館です。御手洗にて宿泊される方は是非ご検討ください。
〒734-0302 広島県呉市豊町御手洗255-2
(御手洗港バス停から徒歩約1分)
TEL : 070-2365-0924
MAF/御手洗藝術農園
Exhibition held at Mitarai Hiroshima ended.
Thanks to visiting our exhibition. Mitarai is an island in Seto Inland Sea. There is a beautiful cityscape built in the Edo period and beautiful sea view with floating islands. When you visit Hiroshima, please come to sightseeing.